3月16日は障害サービス事業所の皆様で形成される「生活支援ネットワーク ライフ 」様の研修会でお話しをさせていただきました。本研修はまさに親が亡くなった後、こんなことで実際に困った‼︎というところが出発点でした。
障害サービス事業者様で関わっている方の親が亡くなることで、本来相続人としてやるべきこと、家族としてやるべきことが多々ある中で、当の相続人本人がそれを実施できる能力が乏しい、または他に頼れる家族もいない場合にサービス事業所としても代理権限もなく本当に苦労したと。その際は身元保証法人様の御協力でなんとか対応することができたそうです。
研修の趣旨は、そのような事態は今後ますます増えてくる事が予想される。その事態に備えて、どのような社会資源や制度が活用できるのかを検討してみようというものでした。この研修はライフ様の前回の研修にて同ケースや類似ケースの検討をグループワークで行ったものに対して、続きにあたるような形で「身元保証」と「成年後見制度」の具体的利用事例や仕組みについてお話しすることになりました。
前半は八戸だけでなく他県でも幅広く身元保証事業や居住支援事業を手がける法人様がお話しされました。成年後見人では基本対応できない身元引受人や債務保証、生活支援の活動のことなど、法律的な支援だけでは行き届かない抜け穴になる部分を上手く補完されているんだなぁと色々参考になる話が多かったです。
後半は私のほうから成年後見制度のお話をさせていただきました。制度の概要からと思い、今回はそもそも介護保険制度と両輪でスタートしたのはなぜか!の部分からお話させていただきましたが、制度上なかなか万人向けにわかりやすく伝えることが難しく、聞いててわかりづらい話になったかなぁと反省しています。
伝えたかったのは、今回の研修の趣旨に沿えば、その親を失ったり頼れない障害サービス利用中の方が、どの権限をもって契約したり代理をお願いできるのか。そのためには判断能力の有無についてきちんと整理しておかなければならないという事です。
例えばその障害サービス利用中の方でも、一概に判断能力が無いのかといえばそうでもありません。実際に任意後見契約を締結するだけの判断能力を有していた方の事例についてもお話させていただきました。そういった方は契約能力があると証明されることによって、身元保証契約など本人の意思決定において柔軟に対応できると考えられます。
一方で成年後見制度を利用しなければ、相続人としての行為事体ができないケース、財産管理もできないケースも存在します。介護保険と同時期にはじまったこの成年後見制度も、もともとは認知症高齢者を抱える家族が、たとえ家族であっても認知症の親や親族の財産を勝手にさわれない、契約等の代理行為ができない、将来的に増えるそんな家族をサポートするために両輪でスタートしたものと言われています。
法定後見制度は申立も必要だし、第三者後見人が選任された場合は報酬も必要になります。今後制度の見直しも話題に上がっているところですが、どんな方が利用すべきで、どんなメリットやデメリットがあるのか。今回一緒にお話させていただいた身元保証契約のほうと何が同じで、何が異なるのかなど、機会あるごとにもう少し分かりやすく伝えることができたらもっと世の中のためにもなるかなぁと反省しつつ自分の今後の宿題にしたいと思います。
最後に、この研修を企画していただいた生活支援ネットワークライフ様ですが、懇親会の際にその成り立ちや役割などを代表の方からお伺いすることができました。まだ介護や障害だと法律や制度設計が確立する以前から、様々な困難事例を解決するため情報交換したり、実際にプランニングを行ったりしてきたとのこと。そうやって立ち上がってきた方々のおかげで今日の地域福祉が成り立っているんだなと改めて実感しました。
私のほうが色々勉強できた実りある週末でした!